Caffè sospeso - カフェ・ソスペーゾ 〜 保留のコーヒーはいかが? 〜

in #japanese7 years ago

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日本では ”クリぼっち” という言葉があるようだが、イタリアでもクリスマス、お正月を一人で過ごす人たちがいる。私にも経験があるが、別に寂しいわけではないが、なんとなく人恋しくなる日なのだ。そして、他人に優しくありたいと思う日でもある。

クリスマスに限らず、南イタリア・ナポリでは、他人を思いやる素敵な習慣がその昔あった。
“ Caffe sospeso “(カフェ ソスペーゾ)という習慣だ。

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イタリアがとても貧しい時代であった第二次世界大戦中に生まれた習慣らしいのだが、バール(イタリアの喫茶店)で、金銭的に余裕のある人は、自分の飲んだコーヒー代の他に、さらにもう1杯分のコーヒーの支払いもするのだ。

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この支払い済みの、まだ誰にも飲まれていない ”もう1杯分のコーヒー” は??

それは、コーヒーを飲むお金のない学生などが訪れた場合に、提供される。もちろん無料で。
つまり、いつか来るであろう、コーヒーを必要としているが、十分なお金がない客のために「保留」(=sospeso、ソスペーゾ)しておくという仕組みなのだ。

知り合いの友人も、学生時代に、「今日のカフェ ソスペーゾはまだありますか?」とバールを歩き回ったとか。

この習慣は30年くらい前まではあったらしいが、今はほとんどなく、この習慣が生まれたナポリですら現在はないのだそうだ。

貧富の差の激しいイタリア。しかも、マフィアに管轄されたナポリならではのエピソードだ。

裕福な人が、さりげなく他人を思う心遣い。
誰だからコーヒーをご馳走するというのではなく、誰かわからないが、コーヒーを必要とする人の為に、代金を前払いしておくというのが、粋で良い。

代金にしたら、100円以下のたいした金額ではないが、それを普通にできていて、素直に必要な人がそのサービスを利用できた時代。

イタリアが貧困な時代の話だが、今と比べると、心はとても裕福な時代だったように思う。

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保留のコーヒー。その習慣は保留にせずに、続けたいものだ。

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心温まるステキな習慣ですね。貧しくても心豊かな時代の習慣が世界中至る所で消えているのかも…寂しい事ですね。

そうですね。素敵な習慣だけど、もし今この習慣を復活させても、同じようには機能しないのかな・・とか色々考えてしまいます。もっと人が素直に思ったことを損得なしにできるといいですよね。

「保留のコーヒー」復活してほしいですね。

そうですね。もし、復活するとしたら違う形になるのかな。なかなか難しいですね。ヨーロッパのいくつかの国々でこの習慣を取り入れてやってみたらしいけれども、結局トレンドで終わってしまい、なかなか浸透しなかったらしいです。やっぱり現代の状況とか人とかいろいろなものが豊かでないと難しいのかな。argonさんのブログいくつか拝読させていただきました。とっても為になる内容で感激しました。投稿楽しみにしてますね!

素敵なお話し。。コーヒーで体だけじゃなく心も温まるのですね。愛情もお金も、受け取るより与えた方が、本当の意味で裕福になれるのだとあらためて思わせて頂きました。

そうですね!その通りかもしれません。しかも毎日コツコツできる小さな習慣ですよね!

へぇ~( *゚ ロ゚)いい話ですねぇ

初めましてフォローさせていただきました!
聞いたことのある習慣でしす!素敵ですね!
イタリアが貧困な時代の話だが、今と比べると、心はとても裕福な時代だったように思う。素敵です。
イタリア好きなのでイタリアエピソード楽しみにしています♪

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