あなたも「パブロフの犬」かもしれない、というお話。
スライド発表やら、研究室のあれこれでなかなか更新できませんでした...
いまは大好きな競馬の予想のかたわら、これを書いています(笑)
さて、私が発表したスライドの内容に「パブロフの犬」の話題が出てきたので、それについて書いてみようと思います。
パブロフの犬の実験は、「古典的条件づけ」という学習についての実験です。
まずは古典的条件づけってなんぞや、ということで、実際の実験の手順から考えていきます。
① 犬に、ベルの音を聞かせます。
② ベルの音を聞かせた数秒後に、肉をあげます。
そうすると、犬は反射として、唾液を分泌します。
③ 1と2の手順を繰り返すとどうなるか?
⇒ 肉をあげなくても、ベルの音を聞くだけで犬が唾液を分泌するようになります。
これを整理すると、以下のような説明になります。
① ある生き物にとって、特に意味のない刺激(中性刺激と呼ばれます)を示します。
=ベルの音 ~ 無意味
② その後に、特定の反射を誘発するような刺激(無条件刺激と呼ばれます)を示します。
=肉 ~ 唾液を分泌
③1と2を繰り返すと、意味のないはずの中性刺激を示すだけで、反射が起きるようになってしまいます。
=ベルの音 ~ 唾液を分泌!
以上のような学習のしくみを「古典的条件づけ」と呼ぶのですが、これ、私たちにも起こるんです。
そして、そんな古典的条件づけを利用している最たる例が、CMです。
たとえば保険のCMとか、引っ越し業者のCMとか、従業員とは全く関係ないタレントさんがよく登場しますよね。あるいは犬のような、かわいらしい動物を使ったCMもあります。
そういうのを見てると、なんとな~く「ちょっとこの会社いいかも?」みたいに思ってしまうこと、ありませんか?
あるいはいいかも、とまでは思わなくても、他のCMに比べて記憶に残りやすい、そういうことがあると思います。
では、実際にCMを古典的条件づけのしくみに当てはめてみましょう。
① 中性刺激 = CMで登場する会社 が示されます。これだけでは、特になんの印象も持たないはずです。
② 無条件刺激 = 大好きなタレントさんとか、かわいい動物が出てきます。好き!ってなります(笑)
③ CMは定期的に何回も流れ、それを何回も目にします。
すると、CMで登場する会社にも、なんとなくいい印象を持ちやすくなります。
と、このように説明できます。
広告の世界ではこのように、心理学を用いた工夫がいくつもなされています。
CMを見るとき、自分はだまされていないか? とちょっと疑ってみると、意外と面白い発見があるかもしれませんね。
今回はここまで。