あなたも「パブロフの犬」かもしれない、というお話。

in #japanese7 years ago

スライド発表やら、研究室のあれこれでなかなか更新できませんでした...

いまは大好きな競馬の予想のかたわら、これを書いています(笑)

さて、私が発表したスライドの内容に「パブロフの犬」の話題が出てきたので、それについて書いてみようと思います。

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パブロフの犬の実験は、「古典的条件づけ」という学習についての実験です。

まずは古典的条件づけってなんぞや、ということで、実際の実験の手順から考えていきます。


① 犬に、ベルの音を聞かせます。

② ベルの音を聞かせた数秒後に、肉をあげます。
  そうすると、犬は反射として、唾液を分泌します。

③ 1と2の手順を繰り返すとどうなるか?
  ⇒ 肉をあげなくても、ベルの音を聞くだけで犬が唾液を分泌するようになります。


これを整理すると、以下のような説明になります。

① ある生き物にとって、特に意味のない刺激(中性刺激と呼ばれます)を示します。
  =ベルの音 ~ 無意味

② その後に、特定の反射を誘発するような刺激(無条件刺激と呼ばれます)を示します。
  =肉 ~ 唾液を分泌

③1と2を繰り返すと、意味のないはずの中性刺激を示すだけで、反射が起きるようになってしまいます。
  =ベルの音 ~ 唾液を分泌!


以上のような学習のしくみを「古典的条件づけ」と呼ぶのですが、これ、私たちにも起こるんです。

そして、そんな古典的条件づけを利用している最たる例が、CMです。

たとえば保険のCMとか、引っ越し業者のCMとか、従業員とは全く関係ないタレントさんがよく登場しますよね。あるいは犬のような、かわいらしい動物を使ったCMもあります。

そういうのを見てると、なんとな~く「ちょっとこの会社いいかも?」みたいに思ってしまうこと、ありませんか?

あるいはいいかも、とまでは思わなくても、他のCMに比べて記憶に残りやすい、そういうことがあると思います。

では、実際にCMを古典的条件づけのしくみに当てはめてみましょう。


① 中性刺激 = CMで登場する会社 が示されます。これだけでは、特になんの印象も持たないはずです。

② 無条件刺激 = 大好きなタレントさんとか、かわいい動物が出てきます。好き!ってなります(笑)

③ CMは定期的に何回も流れ、それを何回も目にします。
  すると、CMで登場する会社にも、なんとなくいい印象を持ちやすくなります。


と、このように説明できます。

広告の世界ではこのように、心理学を用いた工夫がいくつもなされています。

CMを見るとき、自分はだまされていないか? とちょっと疑ってみると、意外と面白い発見があるかもしれませんね。

今回はここまで。