コレラ菌の存在を認めたくなさすぎて、コレラ菌を飲んだ男【科学史エピソード紹介01】
堀元です。慶應義塾大学の理工学部でロボットの研究をしていましたが、今はなぜか村作りをしています。
さて、僕は大学も理系を出ているので、理系科目はまあまあ好きなのですが、「数学大嫌い!」みたいな人、結構いると思います。
ではそんな人は、理系の話を楽しめないのか?
そんなことありません。
そんな人でも、理系のエピソードトークを楽しむという手法が存在します。
というのも、理系の研究者は尋常ならざる情熱を持って研究しているので、色々な珍事が発生します。
有名なのは、コレラ菌が発見されたとき、「いや!絶対コレラは菌じゃなくて他の原因だよ!」と主張し、コレラ菌を飲んだ男ですね。
ぱっと聞いただけだと、アホ過ぎる、という感想を持つかもしれませんが、研究者はそれだけ自説に全てを賭けているのです。
コレラの原因が菌であるはずがない、そんなものが存在していいはずがない、だからこれは嘘にきまっている。飲んだって大丈夫だろう
そんな発想にたどり着いてしまうくらい、ほとんど狂気と言っても良いレベルで、自説に取り憑かれています。
コレラ菌を飲んだ男、マックス・フォン・ペッテンコーファーも、ただのアホではないのです。むしろ、偉大な研究者です。
「近代衛生学の父」と呼ばれるだけ偉大な研究者です。功績も猛烈にたくさんあります。
そして、彼なりの観察と仮説検証によって、「細菌が病気を引き起こすわけではない。コレラは複合病因によって起こる」と結論づけました。
研究者は、「これが正しいはずだ」という、ほとんど狂気とも言える信念に支えられて研究を進めます。本当は科学の理念ではフラットな知見で研究をしなければいけないのですが、そんなのはお上品な教科書の話です。
ペッテンコーファーも、最初に必死の考察と観察から仮説を立てた後は、自分の仮説が絶対に正しいだろうと考えました。
だからこそ、コレラ菌を飲むという狂気の行動も取ることができました。
科学史には、こんな熱いエピソードが溢れています。
・20歳の若さで、数学の基礎論の一つ「群論」を完成させ、その翌日に決闘で死亡した数学者。
・数百年正しいとされた理論に噛みつき、誰にも相手にされなかった物理学者。皮肉にも彼が権威を獲得した後、新しい理論を唱える若者を追放することになる
・神父でありながら、ビッグバン理論の研究を大きく推し進め、ローマ教会からクビになった天文学者。
などなど、とっても熱いです。こういうの、文系の人や理系学問が苦手な人も楽しめるので、是非どんどん楽しんでいくべきだな、と思っています。
サイモン・シンの本なんかは、こんな感じの熱いエピソードがたっぷり詰まっていて、めちゃくちゃオススメです。
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そして、僕はこの手の本が大好きで、面白い科学史をたくさん紹介していきたいなと思ったので、steemit上でもたまに紹介していこかなと思ってます。
ということで、好評だったらガンガン続けていきますので、気に入った皆さんは是非コメントやらvoteやらお願いしますね!!
理系歴史について考えたり村作ったり頑張ってます!よろしければフォローをお願いします!→@kenhori2
それぐらいクレイジーでないと研究者にはなれないんですかね。w
コレラを飲んだ後どうなったか気になります。
下痢に苦しんだそうです。笑
こういう話は大好物です。というか大学全般、知的興味をそそられるお話全般が好きです。楽しみにしています。
おー!よかった!!ありがとうございます!!
定期的に書いていきますのでよろしくお願いしまーす!!
科学者ってぶっ飛んだ人がいるもんですね。
とても面白かったです。
ありがとうございます!!励みになりまーす!!
引き続き書いていきますね!!!